Q 企業のサプライチェーンマネジメントはどう変わる?
Hi カネコさん!とっても真剣な表情。何を見ているんですカ?
おぉ、ジェニファー。
これはな、5月に行われたダボス会議の様子を録画したアーカイブ動画じゃ。
Oh, 世界有数の政治家や大企業の経営者が集まり、グローバル経済の課題を話し合う世界経済フォーラムによる年次総会ですネ?今年はオンラインではなくface-to-faceで開催されたんですよネ!
うむ。そのダボス会議で当社CEOのジョージ・オリバーさんが参加した
パネルディスカッションのアーカイブ動画を見ていたのじゃ。
テーマは、 “Building Responsible Supply Networks(責任の伴うサプライネットワークの構築)” で、持続可能な調達を実現するために社内だけでなくサプライチェーンに関わるパートナー企業にどう働きかけるべきか、という内容でパネルディスカッションが行われたのじゃ。
そういえば当社のESG関連コミットメントには、自社の事業活動に関するコミットメントだけでなく、サプライチェーンに関するコミットメントが含まれていますよね。
そうだね、原料調達から製造、物流、販売、廃棄全般にわたるモノ、お金、情報の流れについて、サプライチェーン全体で情報を共有、連携し、全体最適化を図る経営手法をサプライチェーンマネジメントと言って、これまでは効率化に重きが置かれていた。けれど、近年のSDGs達成に向けての動きやESG投資の流れを受けて、企業にはサプライチェーン全体の最適化・効率化だけでなく、再生エネルギーの活用度合や労働者の雇用環境などの把握が求められるようになり、サプライチェーンマネジメントのあり方が変化しているんだよ。
日本においても、環境省はScope1排出量(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出)とScope2排出量(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)という事業者自らの温室効果ガス排出だけでなく、Scope3排出量(Scope1、Scope2以外の間接排出)を合計し、組織活動全体を対象とした「サプライチェーン排出量」を算出することを呼びかけている。
また、環境省が日本における排出削減のロールモデル企業の創出を目的として、Science Based Targets(SBT)認定取得済企業やサプライチェーン全体で温室効果ガス排出量の削減取り組みにおける中長期目標を設定している企業などを対象に「サプライチェーン全体の脱炭素化推進モデル事業」を推進しているんじゃ。
人権問題についても同様で、世界各国で企業にサプライチェーン上の人権デューデリジェンスの報告義務が義務付けられてきており、日本の産業界も対応を迫られている。経済産業省は検討会を立ち上げてサプライチェーンにおける人権尊重のための業種横断的なガイドライン作成に取り組むことを発表した。
事業活動の影響範囲全体における抜本的な改善を通じて産業界の取り組みを加速させることが国からも求められるようになってきているね。
最近「SDGsウォッシュ」や「グリーンウォッシュ」という言葉もよく聞きマスネ。
SDGsや地球環境に配慮しているというイメージのためそれらしいことをしてみても、それが実際どれだけの結果につながっているのかまで検証されていることは多くないデスね。しっかりとインパクトを検証するためにも、サプライチェーンマネジメントが重要だとお客様が言ってマシタ。
そうだね。例えば自社がSDGsに配慮した事業活動をしていても、取引先企業が従業員に対する強制労働を行っていたり、二酸化炭素排出量削減に取り組んでいないことが発覚し、結果的に取引をしていた企業がSDGsウォッシュやグリーンウォッシュを促進していたと問題になるケースは多くある。
でも、取引先が海外にある場合など物理的な距離が原因で状況の把握が難しい場合もあるだろうし、国や地域が違えば法制度が異なり、認識の統一もとても難しいんだ。
しかし、2月にはEUが大企業に対してサプライチェーンにおける人権や環境への悪影響を評価し、対処を義務付ける規則を含む、企業の持続可能性についてのデューディリジエンスの義務指令を発表したのじゃよ。サプライチェーンマネジメントは決して簡単な取り組みではないが、SDGs達成には必須であることから、ESG先進国と言われる欧州を中心に義務化の動きが加速している。世界で事業を展開するグローバル企業には避けて通れない課題じゃの。
脱炭素化事業の需要はサプライチェーンマネジマントの観点からもますます高まりそうデス・・・その意味でも、日本では月額制で建物の脱炭素化に向けた成果を検証した上で保証する「
ネット・ゼロ・アズ・ア・サービス」はお客様のニーズに沿ったソリューションですネ。
事業活動の影響範囲が大きいほどサプライチェーンマネジメントも大変ですが、持続可能な未来につながる影響も大きいデス!Let’s make changes with customers!
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