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中央監視の始まりと変遷

用語解説

中央監視のはじまりと変遷

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中央監視の始まりと変遷
大型の商業ビルや病院・工場などには、空調設備や電気設備、排水設備などの様々な設備システムが設置されています。
中央監視システムや自動制御システムと呼ばれるシステムはこのような様々なシステムの運転を一括して監視したり制御できるシステムのことです。
本コラムでは、中央監視システムの始まりと変遷について解説します。

電気式制御システムと電子式制御システムの違い

以前サイトーさんに教わった“制御システムの進化”について、あれから自分なりに調べてみたんですけど、まだ少しわからない部分があって。
「電気式制御システム」と「電子式制御システム」の違いについて教えてほしいです！

まず前提として、「電気式制御システム」は検出部と調節部が一体になった調節器と操作器で構成されたシステム、一方「電子式制御システム」は、検出部の検出器と調節部の調節器が分かれたシステム。これが両者の違いだよ。これらの例は以下を見てみよう。

電気式制御システムとは

例：“室内形温度サーモスタット”
検出部はバイメタルの湾曲変化や、ベローズと呼ばれる蛇腹形状の筒の中に封入されたガスの膨張収縮による変化をとらえ、機械機構で温度変化をとらえる。
室内環境を希望する温度に近づけるために設定する設定温度はバネなどによる機械機構で入力して、機械機構の偏差を増幅して電気信号に変換する。
この方法は安価で簡単な制御には適しているが、高度な制御には制限がある。

電子式制御システムとは

検出器・調節器・操作器で構成されており、機器が分かれることで遠隔設定が可能になる。
検出器は温度・湿度・CO₂・圧力・流量…など現代の技術で可能な検出器を利用でき、調節器には検出部の種類に依存せず利用できる。
調節器の機能にはPID動作、遠隔設定機能、バランスレスバンプレス機能、オート/マニュアル切り替え機能、オートチューニング機能など高度な制御を行う機能が備わっている。
複雑な構成だが、高度な制御が可能であり、複数の調節器や補助機器を組み合わせてシステムを構築することもできる。　

構成が複雑になればなるほど、高度な制御が可能になるということですね！

こうした制御システムの進化は、当時の社会情勢やIT技術の発達が密接に関わっているんだ。
例えば、1965年にはスペースシャトルの組み立て工場向けに環境制御システムが必要になって、NASAに空気式気候制御システムを提供したということがあったよ。

POINT

ジョンソンコントロールズは1972年に世界初のミニコンピューターによるビル制御装置「JC80」、1980年代にはデジタル制御を取り入れ正確な制御が可能な「JC85」を発表している。
1990年代には通信プロトコルが公開されて、ジョンソンコントロールズ製以外の装置とも通信可能（オープンシステム）になった。
制御システムはコンピューターの発展とともに成長してきている。