みなさんは、建物施設についてどのように理解していますか?
スーディー・シンハは、ジョンソンコントロールズのビルディングテクノロジーおよびサービス部門の製品開発と技術を担当するバイスプレジデントであり、『Making Big Data Work for Your Business.(ビッグデータの活用でビジネスを機能させる』の著者です。今回は彼の著書で語られている建物の運用とビッグデータについてQ&A形式でご紹介します。
A. 建物施設というのはコンクリートやレンガで建てられているというだけでなく、生産性や生活の質を維持するための、複雑な高度技術の集まった生態系のようなものであると考えるべきです。分析をすることで、非効率性を排除するだけなく、実際にとった対策によって省エネの目標値が達成されればその有効性が確認できます。これは施設管理のあらゆる側面―エネルギー、各ビルシステムの相関関係、保守、そして執務空間の設計などに当てはまります。
Q. “全体像を把握する”というのはどの程度重要なのでしょうか。施設管理者はこの視点がないと何を失うのでしょうか。
A. ジョンソンコントロールズの提供しているサービスプラットフォーム「コネクテッドサービス」*を例に考えてみましょう。これはリアルタイムのデータを接続・収集することで数千ものチラーユニットを自動で診断できます。そうすることで、チラーに重大なダメージを引き起こす可能性の高い、水質悪化などに起因する劣化的非効率性の問題などが明らかになります。個々のデータ分析だけしていても、パフォーマンスの効率性や、水質、温度などの洞察は非常に難しいでしょう。ここから得られる施設管理者への教訓は、二つあります。一つはデータ分析により新しい能力の活用が可能になるということ、もう一つはこの分野へ理解の深いサービスプロバイダーと連携することが大切だということです。
*日本では建物の空調設備に設置されたさまざまなセンサ、コントローラー、アクチュエータなどからの大量データを分析して、正常稼働時のモデルとの比較を行うことで、制御状態の異常予兆を監視・検知するサービスを予定しています。
Q. 施設管理者は建物施設分析の洞察を、どのように彼らの意思決定に反映すべきでしょうか。
A. 以下の3つを実施することをお勧めしたいと思います。