データセンターにおけるビルソリューション
大量の機密情報システムを取り扱うデータセンターは、強固なサイバーセキュリティ対策に加えて、防災や空調など非常に緻密な環境管理が求められています。
本コラムでは、データセンターの環境管理について解説します。
最近、データセンター関連のお客様からのお問い合わせが増えました。
会社としてもデータセンターを注力すべき市場と捉えていると上司から説明を受けました。
デジタルトランスフォーメーション時代到来とともに、データセンターもますます大規模化したからね。
大量の機密情報システムを取り扱うデータセンターは、強固なサイバーセキュリティ対策に加えて、防災や空調など非常に緻密な環境管理が求められるんだよ。
データセンター内の温度変化ってとても激しいんですよね。
さらに、高度サーバーは熱に弱い部品も備えているので高温上昇を防ぐのはとても重要だそうです。
その通り。データセンターで消費される電力の内、約3割を空調に関わるものが占めているというデータもあるんだよ。(※1)
※1:国立研究開発法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター 情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響(Vol.1)- IT 機器の消費電力の現状と将来予測-(最終閲覧日: 2020年3月24日)
低炭素社会戦略センター (LCS) の2021年2月に調査報告書によれば、2018年のデータセンターの消費電力量は、国内で14TWh、世界で190TWhと推定されており、計算負荷の増大傾向が将来にわたって継続する (かつ飛躍的な技術革新がない) 場合、2030年に国内で90TWh、世界ではなんと3,000TWhになるとの見通しを出している。
出典:JST 低炭素社会戦略センター: 情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響 (Vol.2)
−データセンター消費エネルギーの現状と将来予測および技術的課題-、2021年2月
空調による省エネ制御がデータセンターの省エネにおいて果たす役割は大きいですね。
施設の省エネ対策を進めれば進めるほど、PUEを1.0に近づけることができる。
例えば、従来の技術だと室内の室温を部分的に調整することは難しかったけれど、最近はこうしたホットスポットに対する調整も可能になった。
こうした技術の進歩でPUEを下げることも省エネ対策におけるひとつの指標になっているんだ。
データセンターの電力使用効率を表す指標のこと。
データセンター内のIT機器のエネルギー使用量を1としたときに、その他の空調を含む施設エネルギー使用量がその何倍になるかを指す。
巨大なサーバーが何台も稼働しているデータセンターでは、機器から発せられるノイズも障害となり、機器の破損につながることもある。
ある金融機関のデータセンターでは、防災訓練の際に発した消火ガスの噴射音がデータセンター内のディスクを大量に破壊したなんてこともあった。
ATMや決済がしばらく行えず、人々の生活にも支障をきたしたんだよ。
今や私たちの日常生活においてもデータセンターの安定・安全稼働は欠かせませんから、社会インフラの一部とも言える存在ですね。
当社では空調、セキュリティ、防災、そして省エネとデータセンターの環境管理にかかわるニーズにトータルソリューションで対応している。
例えばノズルでノイズを最小限に抑えるソリューションを提供したり、従来よりも水の使用量を80%も抑えて消火活動を可能にするアクアミストソリューションがあげられる。
そしてこれら全てのビルテクノロジーを集約したビルオートメーションシステムで効率的に自動化し、省エネにもつなげている。