Q. 買収、合弁会社設立、合併……その戦略の狙いは何?
サイトーさん、お聞きしたいことがあるのですが、ちょっとイイデスカ?9月にジョンソンコントロールズがタイコと合併しましたね。ゴメンナサイ、私、タイコがどんな会社か知りません。。。
そうか。タイコというのはね、防火・セキュリティ・防災・サービス事業を扱う世界トップクラスの会社なんだよ。
Humm…でも、そのタイコと合併してどんないいことがあるんデスカ?
わが社もタイコも、それぞれビル設備に関係する企業同士だからね。ジョンソンコントロールズのビル制御関連製品や技術、統合ソリューション、エネルギー貯蔵分野の事業と、タイコの防火・セキュリティ・防災・サービス事業を統合して、互いを補いながら強みを結集することができるんだ。この合併によってビル制御や防火、セキュリティ、センサー/自動制御装置、HVAC、産業用冷凍機、エネルギー貯蔵ソリューションをカバーできるようになる。世界でも最高クラスの技術、製品、計装・サービスの提供が実現されるよ。
Oh!スバラシイ!合併は企業をパワフルにするんデスね。でもウチの会社、なんだか最近やたらとこういう話多くないですか?正直少し混乱してマス…
おお、ジェニファー、では少し整理してみよう。
い、 いつの間にかカネコさん!ぜひ整理して教えてください。
ほほほ、任せてくれ。知っておるかな。数年前までジョンソンコントロールズはビルディングシステムズの他に、自動車シートや内装を扱う「オートモーティブシステムズ」、車載用バッテリーを専門とする「パワーソリューションズ」、ファシリティマネジメントを担当する「グローバルワークプレイスソリューションズ」という4つの事業を柱として企業活動をしていたんじゃ。だがな、2013年に就任したCEOアレックス・モリナローリの元、市場ポジションを確立でき、かつ成長ビジネスであるビルの省エネを助ける「ビルディングシステムズ」とエネルギー貯蔵技術の「パワーソリューションズ」にビジネスの戦略的基盤をフォーカスすることにしてな。
そのために今回のタイコとの合併以前にも、買収や売却、スピンオフ、合弁会社設立といった企業活動を短期間に活発に推進してきたというわけさ。
ナルホド!そういうことだったんですね。。どんな経緯デシタッケ?
2014年にはエア・ディストリビューション・テクノロジーズ社を買収しておる。これは換気・送風関連製品など冷暖房空調関連製品を補完する新たな製品ラインナップを拡充することが目的じゃった。それから2015年には日立と合弁会社を設立しておる。これは日立アプライアンスがもつVRFシステム、家庭用エアコン、高効率チラー、最先端ロータリー、スクロール圧縮機といった補完的な空調関連製品ラインナップを拡充して、日立の製品技術とブランドをジョンソンコントロールズのグローバルチャネルで展開するためじゃ。今回のタイコとの合併も、もともとターゲットとなる顧客が重複しておるからのう。チャネルとポートフォリオを拡大することで効果的に顧客にアプローチできることも期待できるな。
Great!! スバラシイ経営戦略デス!これからもますますの成長が期待できマスネ~。ワタシ、一生この会社に付いて行きたいデ~ス。
米国出身。ジョンソンコントロールズ入社5年目の営業担当で、新人アキラの教育係。趣味は旅行。彼氏募集中。
ジョンソンコントロールズのエネルギーエキスパート。45歳、ジェニファーの上司。趣味は切手収集と省エネ。
ジョンソンコントロールズに入社して間もない若手社員。帰国子女。草食系に見えて実は野心家。趣味のゴルフはプロ級の腕前。
ジョンソンコントロールズの重鎮的存在。ビルオートメーションの歴史に関する知識に長けており、社内では“歩く社史”と呼ばれるほど。