日本橋三井タワー/マンダリン オリエンタル 東京
東京都中央区
「保存と開発」の両立を実現し誕生した 日本橋の新しいランドマーク
1603年、江戸開府と同じ年に日本橋が架けられ、ここを起点に東海道、中山道などの五街道が整 備されると同時に、日本橋界隈から江戸の街づくりが始まりました。そして江戸から東京へと呼称が 変わった後も、金融と商業の街として日本橋は日本の中核にあり続けています。 日本橋室町は、三井グループの祖である三井高利が1673年に京都から進出し「越後屋」を構えて以 来、明治、大正、昭和、平成と続く三井グループの本丸であり、今日の発展を支えた活動の本拠地で す。現存する三井本館の竣工は昭和初期の1929年。外壁を囲むコリント式の列柱、1階フロアのド リス式円柱群と吹き抜けの大空間、随所に繊細な装飾を施したインテリアなど、その後の日本の建築 界に大きな影響を与えたこの建造物は、歴史的価値を認められ1998年には大規模オフィスビルとし て初の重要文化財に指定されています。この歴史的建造物の保存と、日本橋地区の新たな開発を推進 するという「保存と開発の両立」をコンセプトに、日本橋三井タワーは2005年7月に竣工しました。 日本橋三井タワーの建設にあたっては東京都の「重要文化財特別型特定街区制度」の第1号の認定を 受け、三井本館のリニューアルを含む複合的な工事を実施しています。タワー3階と本館4階を連結 し、1フロアとして機能させるなど新旧2つのビルの融合を図っており、デザイン面においても低層 部は三井本館の特徴である列柱のリズムを受け継ぐとともに、低層部の上でセットバックすることに より三井本館、三越本店など中央通り沿いの建物との調和を図るなど、古きよき街並みの表情を保つ ためのさまざまな工夫と手段が施されています。 最先端オフィスをはじめ多様な機能をあわせもつ日本橋三井タワーは、地上39階・地下4階建て、 都市だけでなく社会への影響力へも多大な期待が寄せられている日本橋の新しいランドマークです。